5/12/2010

語学学校―授業に関して考えたこと

語学学校の授業を受けていると、外国語学習について考えさせられることが多々あり、その意味ではフランス語を勉強することは楽しいです。今回はそういった考えを、「良くないと感じる点」と「気をつけるべき点」にまとめて、それぞれ3点ずつ紹介します。


ではまず、良くないと感じる3点です


1. 授業が全てフランス語で行われ、非効果的。

講師は単語の意味や文法(といった宣言的知識)まで全てをフランス語で説明しようとします。生徒が理解できる言語で説明する方が理解が早いに決まっています。学校のねらいはできるだけ多くのフランス語に触れさせ(手続的知識を養成す)ることでしょうが、その効果に対して、理解に長い時間がかかるというデメリットが大きすぎます。これまでも語学留学の効果は限定的と思ってきましたが、特に入門段階では非効果的とさえ言えるかもしれません。(ここでは書きませんが、日本語・英語などで授業を行う困難さは理解できます。)


2. 受け身な学習者向けの指導方針

受け身な生徒が想定されているようで、Vulcanus in Europeに参加するような積極的な生徒には不向きです。この方針が伺われる例は多く、:

・生徒が自分で復習することを想定していないために、復習のための似た内容の繰り返しが多く、自分で復習する学習者にとっては進行が遅く感じられます。

・語彙学習を授業内で行います。語彙は自習する方が効率がよいことは明らかですが、生徒が自習することを想定していないために、授業時間を割いて語彙の説明が行われます。

・授業時間の一部が自習時間とされます。授業時間外に行えばよい自習のために、せっかくの授業時間が割かれてしまいます。

・宿題の答え合わせを授業で行います。回答のプリントを渡せば済むのですが、おそらく生徒に宿題をさぼらせないためでしょう、答え合わせを全員で行います。


3. 文法の説明なしに挙げる文例が過剰。

例えば過去時制を習う際に、過去時制を用いた文例を延々と挙げ続けていました。生徒に文法ルールを発見させようというねらいがあるのでしょうが、数が過剰でした。今日の授業はそうでもなかったですが。。。


以上が良くないと感じる点です。後半は気をつけるべき3点です(または以後の Vuclanus in Europe 参加者に伝えたいこと)。


1. 授業に関する問題点は積極的に伝えること

問題点を伝えれば、講師は非常に柔軟に授業内容を変更してくれます。文句を言うようで躊躇されるかもしれませんが、講師は生徒の問題点提起に対して非常に真摯で素直に耳を傾けてくれますので、安心して文句を言えます。


2. 授業をリスニングとして聴くこと

講義の内容をすでに理解している場合であっても聞き流すことはせず、リスニングの練習として講師の話に耳を傾けるようにしましょう。言語の習得には多くの時間を言語処理の練習に割く必要があります。せっかく授業がフランス語で行われているので、それを有効活用しましょう。


3. 語学留学以前にフランス語を学んでおくこと

入門レベルの授業を全てフランス語でうけることは非常に非効果的です。一つ上のクラスに入れるような事前学習をしておくと、語学留学の意義は飛躍的に向上するのではないかと思います。とはいえ忙しい日本での生活でフランス語に時間を割くことは困難でしょうけれど。


以上です。今度は語学学校の授業以外のことについて書いてみます。

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