12/21/2010

優先順位の共有

20-23日の4日間有給を取ったため、一足早くクリスマス休暇の旅行を始めています。荷物が多くなり過ぎ後悔してます。肩凝る。さて、最近仕事で失敗したので、今回はその失敗と反省について。


ウチの町のクリスマスマーケット


まず概要をざっくり。失敗は、スーパーバイザーに自分のアイデアをアピールできずに悔しい思いをしたこと。反省としては、試してみたい実験を列挙し優先順位を付けてたリスト、をもっと頻繁にスーパーバイザーに見せておくべきだった。


失敗は二人いるスーパーバイザーとのディスカッション中に感じました。その例を二つ挙げて、説明に使っていきます。


まず、スーパーバイザーの一人から「あの実験もうやった?」と質問されました。その実験は一週間弱前に彼と立ち話したときに提案してもらっていました。が、ディスカッションの日までは他にしたい実験(僕の中で優先順位がより高い実験)をしており、提案された実験はしていませんでした。でもこれではスーパーバイザーから見れば、まるで実験をサボってるみたいです(実際はそこまで思ってないだろうけど僕の妄想はそこまで行く)。で、悔しい。


例二つ目。同じディスカッション中に、彼らからある実験を提案されました。しかし、それはすでに僕の「試してみたい実験リスト」に入っていました。スーパーバイザーからみたら、僕はその実験を思いつくことができなかったように見られる。ホントはすでに「試してみたい実験リスト」に載ってるのに、それを言い出すことも出来なかった。で、悔しい。


この例の補足。プレゼン練習の意味も含めてディスカッションの際にはプレゼンするようスーパーバイザーから言われているので、僕はスライドを用意し、その最後に今後の研究予定としてその時提案された実験を書いていました。しかし、興味を引く分析結果(XRD)が出てたことが原因で、プレゼンせぬままディスカッションがはじまってしまいました。というわけで、先にアイデアを言えなかったという事情がありました。


という二つの悔しさを強く感じたので、反省してみたところ、どうも「試してみたい実験リスト、優先順位付き」をスーパーバイザーにより頻繁に見せる(理想的にはスーパーバイザーと共有する)べきと思いあたりました。


一つ目の例について言えば、立ち話で提案された時すぐもしくはその日のうちに、彼の提案した実験が(僕の判断では)どれほどの優先順位にあるのかを話し、その順位が妥当か判断を仰ぐべきでした。僕の付けた順位が妥当な場合には、他の実験をしてて一週間後にまだ提案してくれた実験がなされてなくても理解を得られるでしょう。で、悔しくない。反対に僕の優先順位が妥当でない場合には、その実験の優先順位の高さを説明してもらい修正することによって、よりよい優先順位で研究が進められます。


二つ目の例については、ディスカッションよりも高い頻度で「試してみたい実験リスト」をスーパーバイザーに説明しておけば、僕がその時々で思いついている実験をスーパーバイザーから提案されることが避けられそうです。で、悔しくない。


というわけで解決法を見つけたので、実践しました。XRD(材料の分析法)では物質が特定できなかったので、他の分析法が必要でした。そこで、考えられる分析法を列挙して上司に相談しました。ウチの研究所にはそれらの分析器はない(けど近くの大学で借りれるかも)という結果でしたが、問題の解決に努めている姿勢は示すことができ満足できました。


そんなでした。かなり強く悔しいと感じたため、その日の就業時間のうちではどうして悔しかったのかを理解することさえできないほどでした。あと、失敗といっても、「悔しい」と思っただけのことなので、解決したところで(先の段落の最後で書いたように)結局自己満足でしかないんですけどね(笑)


以下他事。{僕の仕事って何?」問題です。一つ目の例の所で、スーパーバイザーの提案した実験に低い優先順位を付けるなんて、上司に反抗してるみたいでとんでもない、と感じられるかもと思いました。これに関連して今の仕事について考えてることとちょっとつながりを見出したので書いてみます。


僕の仕事は自分の研究について主体的に考えることだと思うようにしています。というのは、知識・経験の質・量では博士号持ち(プラスうちの研究所で勤務一年)のスーパーバイザー達に敵うわけがないわけで、インターン開始当初は自分の知識のなさを痛感し、僕はこの職場に貢献できるのか悩みました。そんな中、あるとき気付いたのは、僕の研究を自分の研究として主体的に考えることができるのは僕だけであり、スーパーバイザー達にはできないということです。彼らには彼ら自身の研究があり、時間や思考のリソースはそっちに使うはずですから。そんな経緯で、主体的に考えることが仕事であり、僕のできる貢献として捉えるようになりました。


そういうわけで、自分で優先順位を付けてみて、その順位が低くともスーパーバイザーに説明することは、僕の仕事の核心的な部分です。なぜなら、優先順位を付けるというタスクは、その時点までの実験結果と研究の落とし所と足りない実験結果を考慮する必要があり、それが総合的な判断なので時間をとって主体的に考えなくてはなりません。そういった負担を引き受けることが僕のできる貢献と考えています。他方で、立ち話の中で提案されたという例が示すように、実験の提案はそれほど思考・時間のリソースを割くことなくできます。言葉を選ばす言えば、彼らは思いつきで実験を提案してきます。もちろん、そんなことができる彼らの知識・経験の蓄積がすげー!のです。敵いません。


久々に説明的な文章が書けて満足です。
P.S.としての近況に替えて写真にリンク

12/15/2010

近況とちょい先の事

週二更新と息巻いていたけれど、二ヶ月くらい放置してしまった。一度習慣を失うと再開は難しいなぁ。それでは、この二カ月と、ちょい先のことを書いてみます。

まず、中間報告会の後にフランス語のクラスを上級から中級に引き下げました。上級はクラスメートが強烈で発言機会が得にくかったので。中級クラスでは扱う文法事項は簡単すぎるけど、おしゃべりに行く場としては素晴らしく機能しているので満足。

あとは、11月は連休がいくつかあったので、その内でロンドン4泊4日、アムステルダム2泊3日の旅行にそれぞれ行きました。ロンドンで印象に残ったのはホステルで一緒だったウルグアイ人二人組。ウルグアイの経済系や建築系の大学生は宝くじを売ってもうけて、その金に加えて、就職して数年の貯金で世界一周旅行に出かけるという習慣があると聞きました。彼らも経済系でそのクチでした。おもろー。

アムステルダムでは静物画のリアルさに感動しました。美術を理解できないコンプレックスがあるので、旅先で美術館があれば入ってしまうのですが、いつも頭の中はハテナマークでいっぱいです。でもアムステルダムの国立博物館で見た静物画の、特にマスカットの本物みたいな透明感に感動しました。写実主義はわかりやすくていいですね(笑)

先週末は7月まで通っていた語学学校に里帰りしてフランス語の試験を受けて来ました。インターンが始まってからフランス語を褒められ始めたことで、フランス語がアイデンティティー(のひとつ)として感じられるようになったことが動機だと思います。

テスト一週間前の土曜は図書館で勉強しました。小さい都市だからというのもあるんでしょうが、土曜にあいてる図書館がひとつしかなく、さらに16時で閉館。。。日本で通ってる大学の図書館の24時間オープンのありがたさ(いや、今は研究室があるから使わんけど)と、反面、その異常さに気付きました。聖ニコラ(サンタ的なもの)祭りが近かったので、図書館では読み聞かせのあと子供たちにニコラがお菓子をプレゼントしていました。

で先週末(金曜)が試験でした。読む聴く書く話すの四分野きっちり試験があるんですが、やはり「話す」が最低得点でした。各25点満点で、得点は24, 23, 17, 14.5(計50点あれば合格)。英語の試験と同じ傾向が出ました。もはや性格ですね(笑)。ちなみに分かる人向けに・・・DELFのB1でした。

試験後は旧ホストファミリーに行って夕飯をごちそうになりました。僕の好物(キッシュ)を覚えていて、それを用意してくれていました。感激!食前、ホストマザーお気に入りのテレビ番組を見ながら話し始めて、食後まで四時間も話しっぱなしでした。ホストマザーの人生訓は特に「他人との意見交換は大事」が胆のようです。65になっても頑固になったり守りに入ることなく、外国人を受け入れている姿勢は尊敬に値します。ま、そんなことより、とにかく幸せな4時間でした。

試験後の土日は帰り道の途中のパリにいました。二日ともルーブルに費やしました。前述の通りそんなに楽しめるわけではないですが、わからないうちは量を見ることに意味があったりしないかなぁと期待して見て回りました。情けないことに、ナポレオンの居室すげー豪華、が一番の感想です。

パリではブックオフにも行ってみました。日本語の本を求めて。2ユーロ均一のコーナーから三冊、中高生あたりの一時期はまってた群ようこの短編集と、下流社会と、大前研一の薄い新書。下流社会は調査・考察が粗めかな、と読みながら思ってましたが、アマゾンの書評がそんな批判だらけでびっくりしました。群ようこは面白い。気楽に読めてよい余暇になってます。

で、ちょい先のこと。クリスマス休暇はドイツのクリスマスマーケットを見て回って、プラハ、ウィーン、ブダペストと行って、リュブリャナでヴルカヌス同期と合流予定。10人くらいになるのかな。お世話になります。>あるぽん

今日とりあえず、20日のフランクフルト行きのチケットと、1月2日のリュブリャナから帰る夜行を予約してきました。その間はこれから組み立てます。ユーレイルパス15日を使ってみます。5万円強もして高いけど、その元を取ろうという貧乏性がうまくはたらいて、頑張って移動する動機になればいいなぁと期待してます(笑)。

そんなとこです。
仕事はうまくいっていません。(!)エジソンが言うところの「うまくいかない方法を発見する」日々です。日々突きつけられる自分の無力さは棚に上げて、研究所としても初めて挑戦する研究テーマやししゃーないわ、と割り切ることにしています。で、仕事で挙げられそうにない成果は、フランス語の試験で成果を挙げることで代えようかと。帰る直前に今度は一つ上のB2を受けられるか検討中です。そしたらまたホストマザーに会うのが楽しみ。

10/25/2010

中間報告会

10月11日にヴルカヌス・イン・ヨーロッパの中間報告会がありました。それを振り返ってみます。

半分が過ぎたので日本から二つ持ってきていたファイルを二つ目に交換。

中間報告会ではプログラムに参加する25人がヨーロッパ各地の各自の研修地からフランス、ストラスブール近郊に集まって、この半年の報告をしました。6分くらいのプレゼンテーションを次々に聞きました。

プレゼンの言語は英語でした。昨年だか一昨年は各自の研修言語、すなわちフランス語、ドイツ語、スペイン語などでの発表だったらしいです。他の人の発表がわからないなんて悲しいよなぁ。

プレゼンを聞いていて、自分は環境的に恵まれてるなぁと感じました。で、その反面として、頑張りが足りないなぁ、とも。環境的に恵まれてると思う点は、まずホストマザーやスーパーバイザーに恵まれてる、ともに優しくて親切で、他の人のスーパーバイザーのように忙し過ぎて質問・相談する時間が無いなんてことはないこと。

あと、スーパーに行くために電車に乗る必要はなく徒歩1分の近距離にあり、仕事はちゃんと与えられ、しかもやりがいのある仕事で、滞在許可もすんなりではないもののそろそろ手に入りそうだし。「鈍感力」で苦労をスル―しちゃってる説は常に付きまといますが(笑)

面白かったのは、各自の問題を聞くことでした。特に面白かったのは、東京事務所からの職員さんが参加者にインタビューをしているのを横から聞いていることでした。非公式な感じのインタビューで各自が抱える問題が率直に語られたために、それらがリアルに感じられ面白く感じました。気になる所や話が続きそうな所に横やりを入れられるなど、プレゼンよりも双方向性が強いのも面白く聞ける要因だったのかも。

自分のプレゼンは、まぁまぁうまくいったかと思います。研修言語を少し話すという指示があったので、自分は思いつきでTOEFLのスピーキングセクション的に30秒間フランス語を話すことにしていました。スライドにアニメーションでカウントダウンを表示しながら。テーマは、これもTOEFLでおなじみの"Describe the city you live in"にしました。

本番では30秒話した後に拍手をいただいたので、悪くない思いつきだったようです。もともとは即興で話す予定だったのですが、ここだけの話、発表練習をするうちに話す内容がほとんど頭にはいっていました。。。次の機会があれば会場から質問を募ってみましょうか。

語学学校のころの友達とほぼ三カ月ぶりに会って、話す時の感じが懐かしくって、あと彼がストラスブールを案内するのを見てるのも面白かった(笑)。なにより、語学学校以降をかなり楽しんでいるようで嬉しく、かつ正解(のひとつ)を示されたような。

P.S.
週に二回更新するはずが、二週間ぶりのポストになってしまいました。再開の記事はしっかり書こうなんて思ってると、いつまでたっても再開できないので、まぁとりあえず振り返ってみました。

近況は、、、寒いです。日本の真冬でもこんなに寒いかってくらいです。だって登校時に自転車乗ってて耳が寒過ぎて痛いとか、年に数回じゃなかったっけ。それが10月にしてすでに数回ありました。ただ、近年は早く起きることが少なかったので日本の朝の寒さを忘れているのかもしれません(笑)。

10/11/2010

雑日記2(フラ語教室と聞く褒める)

雑日記の続きとして、
・フランス語教室
・聞くこと褒めること
について。


《フランス語教室》
10月からフランス語教室に通っています。地元の大学(チャリで5-10分ほど)で、毎週二回(月・木)、18-20時の二時間です。クラスは10にほどで、コンゴ(民)人男性が4人いる。その他はひとりずつ、ルーマニア、ハンガリ、スペイン、イタリア、トルコ。コンゴ人はかなり流暢で、早口で、ためらわずに発言するようで、なかなか強烈なクラスメートです。年齢はみんな20代か。エラスムスの学生が二人?


上級クラスで苦戦してます。中級の人が集まらず、中級クラスが作れなかったからか上級にい入れられました。なので授業は文法の授業とかリスニングとかなくて、ゲームとかグループワーク的なことをしてます。7月までの語学学校のような授業だろうと無意識に想定していたので、その違いに違和感を感じてしまいました。あと、コンゴ人ばっかり発言してます。あの中に入っていくのが難しい。


先生(女)が頑固です。ルールとして教室内ではフランス語以外を話すこと禁止だけでなく、フランス語以外の辞書(仏和も)の使用禁止、フランス語以外の本を開くの禁止とか。また、中級クラスが実はあるらしいと知ったので、次の火曜に中級クラスを見に行っていいかと訊いたら「おまえには簡単すぎる」で一蹴されました。この件については後日再度お願いのメールを送って返信待ちです。


ちなみに授業料は10月から2月の60時間で270ユーロ。


《聞くことと褒めること》
この二つが何かというと、これをしてくれる人には好感を持ちやすいというか、人づきあいがしやすいって言動です。そんなん当たり前の真理・心理と言われてしまえばそれまでなのだけど、まぁこの半年を振り返って強く感じたのです。


まず、聞くことの例は7月までのホストマザーと8月からのスーパーバイザー。ホストマザーと会って初めのころは本当にフランス語が全く話せないにも関わらず、ホストマザーは僕の拙いフランス語に付き合って、聞いてくれました。スーパーバイザーは自分の仕事・研究で忙しい中、僕の拙いフランス語での報告・相談につきあってくれます。


褒めることの例は、(3月までの大学の先輩と、)7月までの語学学校の先生と、今の上司です。語学学校の先生はとにかく褒めてくれて気持ちよく勉強できました。今の上司は、僕がマンスリーレポートとかで卑下してると、フォローして褒めてくれます。


逆に、褒めてくれず、批判してくる例は、7月までの語学学校の校長でした。「おまえは文法が出来るけど話せない。もっと話すべきだ」と。もちろん真理なのだけど、いい気分にはなりませんし、また、「いや話さないのは僕の性格の問題で・・・」などど不毛な反論もしたくなる。あ、彼女は「聞くこと」も出来ない人でした。めっちゃ頑固。


そんなで。


PSとしての近況
この記事がアップされるころには中間報告会も無事に終わっていることでしょう。ヴルカヌスの一年も後半突入です。反省、修正、実行していこう。

10/08/2010

雑日記(大使・驚く)

今日はまとまりなく。というか、いつもは「ひと記事ひとテーマ」だけど、今日は四つくらい書いてみる。
・駐ベルギー大使に会った
・フランス語教室
・聞くこと褒めること
・簡単に驚く
と思ったのだけど、書いてみたら長くなったので本記事はは1個目と4個目。二つ目と三つ目はちょっと関連があるので、まとめて次回。


《駐ベルギー大使に会った》
きっかけ。インターンしてる研究所が技術的コンサルを提供してる先の企業を、駐ベルギー大使が訪問した。そこで、技術解説の為にウチの研究所の所長と研究者が呼ばれた。ウチの所長は日本人の研修生がいる、ということで僕を連れていくことにした。そんなかんじだと思う。


大使さんが訪問した企業の様子。企業は石炭炉を修理する技術を保有する(ウチの研究所が開発を補助した)。石炭炉を持つ日本の製鉄会社を顧客としている、というのが日本との関係。新日本製鉄の石炭炉の補修用機械の開発プロジェクトのケーススタディを一橋大学イノベーション研究センターのウェブサイトで一カ月ほど前に読んでいたのが、なんというセレンディピティ。その論文はこちら(リンク先PDF注意)


僕たちは大使さんが到着する30分くらい前に着いた。小さい会社っぽい。従業員60人だっけ。警察のバイクが駐車場に入ってきたぞ、と思ったらそれが大使の乗った車を先導していた。警備するんだなぁ、と思う。降りて来たのは大使とその奥さんだった。握手する。僕を日本人と認識されたようで「おはようございます」を交わす。


大使さんはプレゼン聞いて、工場を見学していった。プレゼン中に何度か質問するなど興味を持っている様子。あ、そうだ、彼はフランス語ペラペラだった。驚き。まぁ考えてみれば外務官僚だし何か第二外国語が話せるんだろうとは思うのだけど、でもその外国語の国に派遣されるとは限らんしね。そういえば奥さんもフランス語話せるっぽかった。


工場見学の時に奥さんと少し会話。ちなみに大使さんの方はずっとそこの企業の社長さんがつきっきりで話す機会を得なかった。で、奥さんから石炭炉を修理する機械について質問された。全然知らないので、さっきのプレゼンで言ってたことの範囲内でお答えする。今日この後はこのような会社を訪問するのか、と僕が質問した。やはり、その工業団地内の中小企業を三つほど訪問されるとか。大使さんは技術好きだそうで、こういう企業訪問を楽しんでいるそうだ。


最後に企業から大使夫妻にプレゼント。奥さんには花束とチョコ、大使さんには大判の本をプレゼントしたようだった。大使さんが帰った後に残っていた茶菓子のチョコがうまかった。




《簡単に驚く》
なんだか最近簡単に驚く。いや、カルチャーショックとかではなくて、もっと軽い話。


・実験室で洗い物をしてたら(例によって冗談好きな)テクニシャンが後ろからそーっと近づいてきて「ワッ」ってしてきて、異常ににビビってしまった。
・イヤホンでポッドキャスト聞きながら料理してたために、(キッチンを共有する)同居人が近づいてきてたことにきづかず、急に話しかけられて異常にビビった。


とか、そんなしょうもない話。


日本でやられるよりビビる気がする。すぐに思いつく理由は、気を張ってるから、くらい。「気を張ってる」なら何されてもビビらんでしょ、と思うかもしれないけど、そういう意味とは違って、危機におびえているから危機への反応が過剰になる、という意味で。


あと、気を張ってるバナシでいうと、イラッとする程度が日本にいるより大きいかもしれない。自分を守らなきゃって意識が強くなってるから、自分をイラつかせる要因に対する反応が過剰になるのかも。ここでいうイラっとするって、自分への危機になりうる種類のイラつきだろう。例えば自転車に乗ってて事故になりそうになるとか。


もうひとつあった。気を張ってるからか肩や首が凝る。といわけで、中間報告会で会う方、肩を揉んでください笑。ご希望ならお返しに肩を揉むので。


PSとしての近況
今週は中間報告会のプレゼン準備したり、大使さんに会ったり、それと仮滞在許可証の延長だったりでなかなか実験できなかった。が、今日金曜はがっつりできた。これで一連の操作をひとりでできるようになった。いちいち人に訊かずに進められるのは気楽。それがいいかどうかはおいといて笑。
で、週末はヴルカヌス・イン・ヨーロッパの中間報告会に行く。フランス、ストラスブールで。日曜と月曜。土曜移動して同期と夕飯食べて、日曜は昼飯食べて観光して、あとは中間報告会。プレゼン含めて同期の話を聞くのが楽しみすぎる。あーたのしみたのしみ。

10/03/2010

9月(二ヶ月目)の仕事

インターン開始から二ヶ月が経ちました。インターンがなんとか研究らしくなってきました。そんな二ヶ月目について書いてみます。
インターン先の玄関
9月の初めころは、ブログのPSにもちょこっと書いていたように、実験に使う試薬を待たなければならず、できることが限られていました。そこで、目的の物質ができるまでの各段階において振れるパラメーターや考えられる物性の測定方法を表にまとめたり、論文(を書く場合)の骨子を構成したり、欲しいデータを図にしてみたりしました。


また、スーパーバイザー(上司ではないし、「指導者」や「監督者」って訳すのもイマイチだしなぁ)が彼の実験を練習として僕に与えてくれました。彼と僕の研究の実験は重なる部分があり、それを通して実験操作に慣れました。


試薬が届いて、中旬ころからは自分の実験を始められました。しかしこれがうまくいかず、作製手順の最終段階のひとつ前で、すでにダメっぽいことが明らかなほどでした。問題が発生して研究らしくなってきました。


が、そこで痛感するのが自分の能力不足でした。試料がダメになった原因やその解決策に関して、嫌になるほど何も思いつけないのです。他方でスーパーバイザーは「コレが多く入ってるからだ」とか、テクニシャンは「アレを入れたら改善するよ」とかスッとアイデアが出るようです。知識や経験の不足が明らかでした。


そんな中で自分でも、思いあたる原因とその改善法がひとつ見つかりました。スーパーバイザーやテクニシャンのアイデアをとりいれて実験をする際に、まず、スーパーバイザーの指摘した「コレ」の量を減らしました。で、テクニシャンが言った「アレ」を加える前に、試料を半分にわけて、半分には「アレ」を加え、もう半分には加えずに自分で思いついた改善策を施しました。


結果としては、半分にわけた両方がうまく行きました(初回と同様に進めた試料はダメでした)。とはいえ、まだ作製の最終段階の前なので、最終的に物性がどうなるかなど見届けなければならず、どちらの方法が良さそうかは不明です。それに、「コレ」の量を減らしたことによる負の影響もあるでしょうし。


そんなんですかね。実験が楽しいです。というか実験室に居ることが楽しいです。まず、机で論文の骨子とか振れるパラメーターを想像してるより、手を動かしてダメなりにも物ができる方が直感的に楽しいです。実はそれより、実験室にいるテクニシャン達が冗談大好きで、よく絡んでくれて面白おかしい時間を過ごせる、というのが実験室にいるのが楽しい最大の理由です。




PS スーパーバイザー
上司と言ってしまえば簡単なんですが、本文中でも書いたとおり、上司って感じではありません。僕の研究は彼の研究とは別物であり、僕は彼の下請けではないので。一方で単なる先輩かと言えばそうでもなく、僕のインターンの世話を彼が担当しています。「指導してくれる同僚・先輩」と言ったところですが、文章に入れるには表現としてこなれてないし、ということで横文字でスーパーバイザーとしています。


PS2 テクニシャン
テクニシャンは研究者の考えた実験を実行する人です。うちの研究所では研究者が実験手順や物質の量を指定する書類を作り、テクニシャンはそれに従って実験をします。あ、僕の場合は実験も自分でやります。
彼らはみんな冗談好きです。一人の名言に"Il ne faut pas être fou ici, mais ça aide."「ここ(実験室)ではバカであってはならないが、バカであることが助けになりうる」があります。一つ目の「バカ」は文字通りバカの意味でしょう。対して、二つ目の「バカ」は冗談を言ってふざけられる、日本語で言う「ノリの良さ」にあたるものと思います。


PS3 
ブログ続けるの難しい。英語の方はもう二週間(二回)さぼってるし、日本語の方もこないだの金曜サボったのを今日(日曜)書いてますし。夕食時にブログの骨子を書くという計画が、同居人が戻ってきたことで難しくなってるのが痛いです。あと火曜と木曜と思ってた語学学校が明日(月曜)に第一回の授業があるとか。。。見直しが必要そうです。

9/27/2010

唯物論者の自炊

ホームステイから一人暮らしになってそろそろ二カ月。その二カ月の自炊を写真で振り返ってみます。なお「唯物論者の自炊」というタイトルは、いんすぱいやーっど・ばい:
これは主に見た目をかわいくするためにしていることなので、味さえよければ良いという見た目に惑わされない唯物論者のみなさんはこの工程をはぶいてそのまま鍋に鶏肉を入れてしまっても大丈夫です!  
安全ちゃんの食肉宇宙「ハイパー簡単なもてなし料理、紅茶豚&紅茶鶏の作り方」
かわいい感じの記事の中で、ふと唯物論者なんて文化系な言葉で出てくるのがおもしろかったので印象に残って、パクった。あと、僕の趣味があくまで「自炊」であって料理でないのは、やはり料理の見栄えを重要視してないから。こういう意味での(どーゆー意味やねん笑)唯物論者は損をしてるよなぁ。たぶん人並みに見た目を気にした方がお得。

初めから話が逸れ過ぎた!笑
では、ひとつめ
にんじんとたまねぎのスープ。コンソメは

マギーブイヨン。コンソメとしては味の素のしか知らなかったけど、日本でも普通にあるらしい。。。

スモークサーモンとレタスの相性っていいんだね。

鶏の心臓。こういうゲテモノは安いのでつい買っちゃう。一キロ当たり4ユーロ。炒めると
弾力性のある歯ごたえ。
父親が遊びに来た時に持ってきてもらった赤味噌
で、心臓と砂肝を
煮込むと

 砂肝は煮込むと、小さく固くなる。溶け出すのか縮むのか。
しょうゆとアヴォガド。ご飯がまたあう。
生クリーム(?)と卵と、バニラ風味の砂糖(sucre vanille)
を炊飯器中の炊いたご飯(二合)に加え
もう一回炊飯スイッチを押すと
こうなる。リオレ(Riz au lait)。甘いご飯なんて!って抵抗が初めはあったけど、いまでは平気。サランラップに包んでおいて会社のおやつに持っていく。
Boudin blanc(ブーダン・ブラン)。鶏肉とパン粉と牛乳から作るらしい。ベルギーのものらしい。キロ当たり4.5ユーロくらいで安い。もちもちして脂っこくもなくておいしい。ミュンヘンの白ソーセージとは違うのかな。見た目は似てる。
Boudin noir(ブーダン・ノワール)。こっちは豚の血と脂のソーセージ。断面は
たぶん白い所が脂。やはり血、あんまりおいしくない。。。レバーに近いけど、また違う。ちょっと甘みがあってそれが気持ち悪い。

ケーキの素。これを炊飯器で焼く。のだけど、底しか焼けずあとは生だった。そこで全体を混ぜてもういっかい焼いて、それを裏返してもう一回焼いて、
こんなかんじ。おいしかった。そういえばこれは誕生日前日に焼いたんだった。
次は生肉の
その名もアメリカン。サンドイッチの具によく使われる。ご飯にもよく合う。
わさびとしょうゆにもよくあう。
取りはラタトゥイユ。
ホストマザーに聞いたレシピはトマトとナスとズッキーニと玉ねぎを同量使う。あとはパプリカ、ニンニク、数種のハーブが入ったherbe de provence等。僕はナスがあんまり好きでないし高いのでよく省く。かわりに、肉を入れるとおいしい!上の写真は昨日作った豚肉入り。なかなかよかった。下の写真は
鶏肉を入れた時の。これもよかった。骨付きのここの部位は結構安い。調べてみたら、手羽元??ラタトゥイユは時間がかかる(かけたほうがおいしい)ので、休日の料理にしている。じつはもう4回とか作ってるから隔週で作ってることになるのか。

PSとしての近況
週末は近くの郊外型ショッピングモールに二回行ってしまった。服を買ったので荷物置くために一回帰った。服を買ったのは渡欧してからの半年で初めてだったかな。で、ゆっくりスーパーをぐるぐるして、ラタトゥイユの材料買って帰った。土曜の夜は同僚と出かけて、ディスコ(クラブ?)に行った。爆音うるせー。日曜は目覚めたベッド上で読書してラタトゥイユ作って、雨もあって出かけるのもめんどかった。で夕方からTBSラジオ文化系トークラジオLifeのUstream放送を見る。いつもはポッドキャストで聞いていたので生で聞くのさえ初めて。なんか映像をみるとグダグダに見えるようだ。国会中継もそうだったな。ラジオで聞いてると賢いおじさん達の討論といった印象だったけど、テレビで見るとおじいさんがてくてくと発言する席に歩く姿とか見えちゃってイマイチだった。
朝起きられん。週末のリズムを持ち越しちゃうのと、日の出が遅くなってきたのが原因か。