インターン先の玄関 |
また、スーパーバイザー(上司ではないし、「指導者」や「監督者」って訳すのもイマイチだしなぁ)が彼の実験を練習として僕に与えてくれました。彼と僕の研究の実験は重なる部分があり、それを通して実験操作に慣れました。
試薬が届いて、中旬ころからは自分の実験を始められました。しかしこれがうまくいかず、作製手順の最終段階のひとつ前で、すでにダメっぽいことが明らかなほどでした。問題が発生して研究らしくなってきました。
が、そこで痛感するのが自分の能力不足でした。試料がダメになった原因やその解決策に関して、嫌になるほど何も思いつけないのです。他方でスーパーバイザーは「コレが多く入ってるからだ」とか、テクニシャンは「アレを入れたら改善するよ」とかスッとアイデアが出るようです。知識や経験の不足が明らかでした。
そんな中で自分でも、思いあたる原因とその改善法がひとつ見つかりました。スーパーバイザーやテクニシャンのアイデアをとりいれて実験をする際に、まず、スーパーバイザーの指摘した「コレ」の量を減らしました。で、テクニシャンが言った「アレ」を加える前に、試料を半分にわけて、半分には「アレ」を加え、もう半分には加えずに自分で思いついた改善策を施しました。
結果としては、半分にわけた両方がうまく行きました(初回と同様に進めた試料はダメでした)。とはいえ、まだ作製の最終段階の前なので、最終的に物性がどうなるかなど見届けなければならず、どちらの方法が良さそうかは不明です。それに、「コレ」の量を減らしたことによる負の影響もあるでしょうし。
そんなんですかね。実験が楽しいです。というか実験室に居ることが楽しいです。まず、机で論文の骨子とか振れるパラメーターを想像してるより、手を動かしてダメなりにも物ができる方が直感的に楽しいです。実はそれより、実験室にいるテクニシャン達が冗談大好きで、よく絡んでくれて面白おかしい時間を過ごせる、というのが実験室にいるのが楽しい最大の理由です。
PS スーパーバイザー
上司と言ってしまえば簡単なんですが、本文中でも書いたとおり、上司って感じではありません。僕の研究は彼の研究とは別物であり、僕は彼の下請けではないので。一方で単なる先輩かと言えばそうでもなく、僕のインターンの世話を彼が担当しています。「指導してくれる同僚・先輩」と言ったところですが、文章に入れるには表現としてこなれてないし、ということで横文字でスーパーバイザーとしています。
PS2 テクニシャン
テクニシャンは研究者の考えた実験を実行する人です。うちの研究所では研究者が実験手順や物質の量を指定する書類を作り、テクニシャンはそれに従って実験をします。あ、僕の場合は実験も自分でやります。
彼らはみんな冗談好きです。一人の名言に"Il ne faut pas être fou ici, mais ça aide."「ここ(実験室)ではバカであってはならないが、バカであることが助けになりうる」があります。一つ目の「バカ」は文字通りバカの意味でしょう。対して、二つ目の「バカ」は冗談を言ってふざけられる、日本語で言う「ノリの良さ」にあたるものと思います。
PS3
ブログ続けるの難しい。英語の方はもう二週間(二回)さぼってるし、日本語の方もこないだの金曜サボったのを今日(日曜)書いてますし。夕食時にブログの骨子を書くという計画が、同居人が戻ってきたことで難しくなってるのが痛いです。あと火曜と木曜と思ってた語学学校が明日(月曜)に第一回の授業があるとか。。。見直しが必要そうです。
PS2に関して,
ReplyDelete>二つ目の「バカ」は冗談を言ってふざけられる、日本語で言う「ノリの良さ」にあたるものと思います。
文脈がわからないので,ずれたコメントになるかもしれませんが,
この「バカ」は知識がないことを指している場合もあるような気がします.
予備知識がないことで,考え方に制約がなく,その結果として時には突飛な考えが生まれることもある.
みたいなことをうちのボスが言っており,よく研究室に配属されたばかりの4回生に,半ば無茶ブリのように,意見を求めています.
ウチみたいな境界領域の研究分野だからできることなのかもしれませんけどね.
コメントありがとうございます。
ReplyDelete確かに自由な発想を背景知識がじゃましてしまうことがあって、そういう意味ではモノを知らない「バカ」は利用価値がありそうですね。そんな貢献の仕方しかできそうにないので、その線で頑張ってみます(苦笑。具体的には、ためらわずに意見をいうことですかね。
このテクニシャンの件の文脈ではノリのことと思います。いつも「泣いてるより笑ってる方がいいだろ」的なことを言ってる人たちなので笑